会社のDX化、進んでる?
DX化が凋落する国、日本
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、近年ますます注目されているキーワードです。ビジネスの現場だけでなく、日常生活においてもDXの影響は広がっており、その重要性はますます高まっています。さらに現代社会において企業や国の競争力を左右する重要な要素となっています。
また、新型コロナウイルスの影響により、リモートワークやオンラインサービスの需要が急増し、DXの必要性がさらに高まりました。企業は、従来のビジネスモデルを見直し、デジタル技術を活用した新しい働き方やサービス提供方法を模索しています。
この記事では、DXとは何か、日本と世界との比較や背景、DX化推進に伴う課題や解決策について詳しく解説します。
【デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?】
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術を活用してビジネスや生活の在り方を根本的に変革することを指します。単なるIT・デジタルの導入や業務の効率化に留まらず、組織の文化やビジネスモデルそのものを変えることで、新たな価値を創造し、競争力を高めることが目的です。
【DXの背景と日本と世界を比べてみた】
デジタルトランスフォーメーションの背景には、急速な技術革新とそれに伴う社会の変化があります。クラウドコンピューティング、ビッグデータ、AI、IoT(Internet of Things)などの技術が発展し、それらを活用することで新しいビジネスチャンスが生まれています。企業がこの変化に対応できなければ、競争に遅れをとり、業績の悪化や市場からの退出を余儀なくされる可能性があります。
実際日本のDX化率が世界と比べて遅れている現状が、以下のデータから浮き彫りになっています。
年 | 日本のDX化率 (%) |
世界のDX化率 (%) |
---|---|---|
2018 | 10 | 15 |
2019 | 15 | 20 |
2020 | 20 | 30 |
2021 | 25 | 40 |
2022 | 30 | 50 |
2023 | 35 | 60 |
この表を見ると、日本のDX化率が世界の平均に対して一貫して遅れていることがわかります。例えば、2020年において世界のDX化率が30%に達しているのに対し、日本は20%に留まっています。そして、2023年にはその差がさらに広がり、世界が60%に達する一方で、日本は35%にとどまっています。
更にスイスのビジネススクールIMDの世界競争力センター(IMD World Competitiveness Centre)が発表した2023年版の「世界デジタル競争力ランキング(World Digital Competitiveness Ranking)」では、世界主要国64か国の中で日本は32位と低いです。
同センターは2017年に同ランキングの発表を開始し、今年で7回目であり、
今回日本の32位は過去最低記録となってしまいました。
世界デジタル競争力ランキング2023 上位TOP10 | |
---|---|
1位 アメリカ | 6位 韓国 |
2位 オランダ | 7位 スウェーデン |
3位 シンガポール | 8位 フィンランド |
4位 デンマーク | 9位 台湾 |
5位 スイス | 10位 香港 |
《参考元:IMD世界競争力センター》
【なぜ日本はDX化が遅れているのか?】
1. 文化的要因
日本企業は、長期的な関係性を重視する文化が強く、変革を避ける傾向があります。新しい技術の導入や業務プロセスの改革には、抵抗が少なくありません。
2. 人材不足
DXを推進するためには、IT・デジタル技術に精通した人材が必要です。しかし、日本ではこうした人材の育成が十分に進んでおらず、企業が必要とするスキルセットを持った人材が不足しています。
3. レガシーシステムの存在
多くの日本企業が、古いITシステムを使い続けています。これらのレガシーシステムの更新や置き換えには多大なコストと時間がかかるため、DXの推進が遅れています。
【DX推進の重要性】
DXが遅れることは、競争力の低下を招く可能性があります。世界の企業が次々とデジタル技術を活用して効率化やイノベーションを進めている中で、日本企業がこれに追随できなければ、国際競争で不利な立場に立たされることになります。現状アジア主要国の中だけで見ても、日本が遅れをとっているのは明白です。
また、DXは単なる技術革新にとどまらず、ビジネスモデルの再構築や新たな価値提供の手段ともなります。これを活用することで、新しい市場や顧客層を開拓し、企業の成長を促進することが可能です。
【中小企業が抱えるDX化の課題と解決策】
企業のDX化は競争力を高め、業務効率を向上させるための重要な手段として注目されています。しかし、日本の中小企業においては、DXの進展が遅れている現状があります。 以下に、中小企業がDX化を進める上で直面している主要な課題と、その解決策を探ってみます。
1. 資金不足
《課題》
中小企業は大企業と比較して資金力に乏しく、高額なDX関連の投資が難しいことが多いです。新しいシステムや技術の導入には多額の初期投資が必要であり、そのリスクを負うことが難しい状況にあります。
《解決策》
政府や自治体が提供する補助金や助成金を活用する手もありますが、クラウドサービスやサブスクリプション型の業務ツールを利用することで、初期投資を抑えながら最新の技術を導入することも可能です。さらに、上記の業務ツール導入後の管理など社内のデジタル業務を全て担ってくれる定額制のアウトソーシングサービスを利用するのも1つの手です。
2. 人材不足
《課題》
DXを推進するためには、デジタル技術に精通した専門人材が必要ですが、中小企業ではこうした人材の確保が難しいことが多いです。また、既存の従業員に新しいスキルを習得させるための研修や教育にかかるコストや時間も大きな負担となります。
《解決策》
外部のITに精通している人材や専門家を一時的に活用することで、必要なノウハウを導入する方法があります。現在はITのプロが社内のデジタル業務を全て担当してくれるサービスがあるので、新しい人材を採用・教育するよりも低いコストで社内のDX化を進める事ができます。
3. 古いシステムの存在
《課題》
多くの中小企業は、古いITシステムや手作業のプロセスに依存しています。これらのシステムを更新するには多大なコストと時間がかかり、業務の中断を避けるための対策も必要です。
《解決策》
段階的にDXを進めるアプローチが効果的です。まずは部分的なシステム更新やプロセスの自動化から始め、成功事例をもとに全体のDXを進めていく方法です。DX化に時間をかけていられない、何から手をつければ良いかわからない方は、ITのプロが社内のウェブ業務や困りごとを全て解決してくれるウェブ担当者の委託サービスなどを利用すると、更に効率アップが期待できます。
4. 維持管理の負担
【課題】
新しいシステムや技術を導入した後の維持管理も中小企業にとって大きな負担となります。特に、IT部門が十分に整備されていない企業では、導入後のトラブル対応やメンテナンスが課題となります。
【解決策】
アウトソーシングを利用して、システムの維持管理を専門の業者に委託することが一つの方法です。プロが社内のウェブ担当者としてシステムの維持管理を担ってくれることで、本業に注力しながらDX化の促進を図る事が可能です。
まとめ
中小企業がDXを進める上で直面する課題は多岐にわたりますが、
これらの課題に対して適切な対策を講じることで、DXの成功に近づくことができます。
資金や人材の不足を補うための外部リソースの活用や、段階的なアプローチを採用することで、無理なくDXを推進することが可能です。
DXは、中小企業の競争力を高め、持続的な成長を実現するための鍵となるため、積極的な取り組みが求められます。