「営業時間外にLINEが届いても、返信できずに予約を逃してしまう」
「同じ質問に、毎回手で返信するのが負担になっている」
「AIで自動返信できると聞いたが、どこまで任せていいのか分からない」
ウェブ担さんへのご相談でも、LINE公式アカウントの自動返信について、「AIを使えば楽になるのか」というご質問をいただく機会が増えています。
結論から言うと、LINE公式アカウントの自動返信には「①応答メッセージ(AIではない・無料)」「②公式のAIチャットボット(β)」「③外部の生成AIを接続する」の3段階があります。多くの店舗では、まず①で十分な効果が出ます。AIは、「誤回答があっても大きな問題にならない範囲」に限って使うのが、安全で現実的です。この記事では、3段階の違い、設定の流れ、AIに任せてよいこと・いけないことを整理します。
更新日:2026年10月16日
Slack・Teams・LINE・Chatworkなど、チャットツール連携の全体像は、こちらの記事で解説しています。この記事は、その中でも「LINE公式アカウントの自動返信とAI」に絞った内容です。
LINE公式アカウントの自動返信|3段階の違い
まず、全体像を整理します。「自動返信」といっても、仕組みも費用も大きく異なります。
| 方式 | AIか | 費用の目安 | できること | 向いている店舗 |
| ①応答メッセージ | AIではない | 無料プランでも利用可能。機能の利用料はかからない | 決めたキーワードや、営業時間外に、あらかじめ作った文章を自動で返す | 質問のパターンがある程度決まっている店舗 |
| ②公式AIチャットボット(β) | AI | 「チャットProオプション」(月額3,000円・税別)が必要と案内されている | 登録したQ&Aをもとに、AIがお客様の質問に回答する。有人対応への切り替えも可能 | 問い合わせ件数が多く、よくある質問を整理できている店舗 |
| ③外部の生成AIを接続 | AI(ChatGPTなど) | チャットボットサービスの月額や、AIの利用料が別にかかる。開発する場合は開発費 | 自由度の高い会話や、独自の社内情報をもとにした回答 | 設計・運用の体制を整えられる企業 |
②の料金や条件は、2026年10月時点で複数のサイトで紹介されている情報です。対象条件や登録できる件数は変更されることがあるため、設定前にLINEヤフーの公式マニュアルをご確認ください。
古い情報にご注意|以前の「AI応答メッセージ」は終了している
インターネット上の古い記事には、「LINE公式アカウントのAI応答メッセージ」という機能を紹介しているものがあります。これは、業種などを選ぶと、一般的な質問に自動で答えてくれる機能でしたが、2023年に終了したと紹介されています。現在の自動返信は、上の3つの方式から選ぶことになります。
まず設定したい「応答メッセージ」|無料でできる自動返信
「AIを入れる前に、応答メッセージで十分では?」と感じる店舗は少なくありません。応答メッセージは、無料プランでも使え、送った分はメッセージの配信通数にカウントされないとされています。
設定の流れ
画面の名称は変更されることがあります。
①LINE Official Account Managerにログインし、「設定」→「応答設定」を開く
②チャット機能を使わない場合は、チャットを「オフ」、応答メッセージを「オン」にする(チャットと併用する場合は、「手動チャット+応答メッセージ」を選ぶ)
③「応答メッセージ」→「作成」から、タイトル・応答する条件(常に返す/キーワードに反応する)・返信する文章・返信する時間帯を設定する
④保存して、実際に自分のスマホからメッセージを送り、動作を確認する
そのまま使える返信文の例
【営業時間外の自動返信】
「メッセージありがとうございます。ただいま営業時間外のため、翌営業日(〇時〜)に、順次ご返信いたします。お急ぎの場合は、お電話(〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇)にてご連絡ください。」
【キーワード「予約」に反応する返信】
「ご予約はこちらから24時間受け付けています。(予約ページのURL)。ご希望の日時が見つからない場合は、このトークでご相談ください。」
【キーワード「場所」「アクセス」に反応する返信】
「〇〇駅 東口から徒歩3分です。地図はこちら(地図のURL)。駐車場は〇台分ご用意しています。」
この3つだけでも、「営業時間外の取りこぼし」「予約の案内」「アクセスの問い合わせ」という、問い合わせの多くをカバーできる店舗もあります。
応答メッセージの限界
応答メッセージは、決めたキーワードにしか反応できず、「営業時間は?」と「何時まで開いていますか?」のような、言い回しの違いには、すべて対応しきれません。この弱点を補うのが、AIです。
AIの自動返信が向いているケース/向いていないケース
AIの導入を検討する価値があるケース
・LINEでの問い合わせが多く、手での返信が追いつかない
・質問の内容は似ているが、言い回しがバラバラ
・よくある質問(Q&A)を、すでに整理できている
・誤回答があった場合に、人がフォローできる体制がある
応答メッセージで十分なケース
・LINEの問い合わせが、1日に数件程度
・「営業時間外の案内」「予約ページへの誘導」ができれば十分
・Q&Aを整理する時間が取れない
AIは、導入すれば終わりではなく、Q&Aの準備・誤回答のチェック・内容の更新といった運用の手間がかかります。問い合わせの件数が少ないうちは、応答メッセージで十分な場合が多いです。
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AIに任せてよいこと・任せてはいけないこと
AIの自動返信で最も重要なのは、「どこまで任せるか」の線引きです。誤った回答は、お客様とのトラブルや、店舗の信頼低下に直結します。
| 任せてよいこと | 任せてはいけない(人が対応する)こと |
| 営業時間・定休日・アクセスの案内 | 料金の個別の見積もり・値引きの判断 |
| メニューやサービスの概要の説明 | キャンセル・返金・変更の可否の判断 |
| 予約の方法・予約ページへの案内 | クレーム・お詫びへの対応 |
| 駐車場・支払い方法など、事実が決まっている案内 | 個人情報の確認・本人確認 |
| よくある質問への一般的な回答 | 効果・結果の断定、健康や法律に関わる助言 |
AIが答えられないときは、人に切り替える
AIが回答に自信がない質問や、クレームの気配がある場合は、「担当者から改めてご連絡します」と伝えて、人の対応に切り替える仕組みを必ず用意してください。営業時間外に届いた場合は、「翌営業日に担当者が返信する」と案内しておくと、お客様の安心につながります。
業種ごとの広告ルールにも注意
AIが「必ず効果が出ます」「どんな方でも大丈夫です」のような断定的な表現を使ってしまうと、業種によっては、広告のルールに触れるおそれがあります。特に、医療機関や、健康・美容に関わるサービスでは、効果の表現に注意が必要です。AIが使ってよい表現と、使ってはいけない表現を、あらかじめ決めておきましょう。
AIチャットボットを導入する手順
AIを導入する場合は、いきなり公開せず、次の順番で進めるのが安全です。
| ステップ | やること |
| ①目的と範囲を決める | 「営業時間外の問い合わせ対応」など、AIに任せる範囲を、1〜2つに絞る |
| ②よくある質問を集める | 実際のLINEのやり取りから、頻出の質問を10〜30個ほど洗い出す |
| ③正解の回答文を、人が作る | AIに自由に書かせず、回答のもとになる文章は、人が用意する |
| ④社内でテストする | スタッフが、お客様になったつもりで質問し、誤回答がないか確認する |
| ⑤有人への切り替えを用意して公開 | AIが答えられない場合の流れを決めてから、公開する |
| ⑥ログを見て、毎月見直す | 答えられなかった質問や、誤回答を確認し、Q&Aを追加・修正する |
特に③が重要です。AIの回答の質は、結局のところ、もとになる情報の質で決まります。
費用の考え方|月額料金だけでは判断できない
| 方式 | 直接かかる費用 | 見落としがちな費用・工数 |
| 応答メッセージ | 0円 | キーワードと返信文の登録・更新 |
| 公式AIチャットボット(β) | チャットProオプション 月額3,000円(税別)と案内されている | Q&Aの準備・確認・改善、有人対応の工数 |
| 外部の生成AIを接続 | ボットサービスの月額+AIの利用料。開発する場合は開発費 | 設計・テスト・更新、誤回答の確認、公開後の保守 |
また、AIの自動返信を入れると、返信の回数が増えるため、LINE公式アカウントのメッセージ配信数の扱いが変わる場合があります。返信の方法によって通数の数え方が異なることがあるため、契約中のプランと、配信数の上限を、事前に公式情報で確認しておきましょう。
業種別|自動返信の使いどころ
| 業種 | 自動返信が役立つ場面 | 注意したい点 |
| 飲食店 | 営業時間・定休日・予約方法・メニュー・アレルギーの一般的な案内 | アレルギーの個別対応は、必ず人が確認する。臨時休業の情報を、常に最新に保つ |
| 美容室・サロン | 予約の案内・メニューと所要時間の概要・アクセス | 料金の個別の見積もり、肌や髪の状態に関する助言は、人が対応する |
| 小売店 | 営業時間・在庫の確認方法・配送や返品のルールの一般的な案内 | 在庫は変動するため、AIに「ある・ない」を答えさせない |
いずれの業種も、「情報が古くなっていないか」が、自動返信の品質を左右します。臨時休業・メニュー変更・料金改定のたびに、返信内容も更新する運用が必要です。
LINE公式アカウントの設定・運用も、ウェブ担さんに相談できます
「応答メッセージの設計から任せたい」「AIを入れるべきか、そもそも判断できない」「設定したあとの更新が続かない」という場合は、ご相談ください。
ウェブ担さんでは、LINE公式アカウントの運用を含むSNS運用や、ホームページの更新・保守を、定額でお受けしています。お客様が普段お使いのツールに合わせて対応しますので、「何から始めればいいか」の整理からご相談いただけます。SNS運用の外注について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
よくある質問
Q. 応答メッセージとAIチャットボットは、どちらから始めるべきですか?
A. まずは応答メッセージから始めるのがおすすめです。無料で始められ、営業時間外の案内や予約の誘導だけでも、取りこぼしを減らせます。問い合わせが増え、手が回らなくなってから、AIの導入を検討する順番が現実的です。
Q. AIの回答が間違っていたら、どうなりますか?
A. 誤回答は、お客様とのトラブルの原因になります。AIに任せる範囲を、営業時間や予約方法などの事実が決まっている内容に絞り、判断が必要な内容は、人が対応する仕組みにしておくことが大切です。
Q. ChatGPTなどを、LINE公式アカウントにつなぐことはできますか?
A. 可能です。LINEのMessaging APIを有効にし、チャットボットサービスや自動化ツールを経由して接続する方法があります。ただし、設定・運用の手間や、利用料が別にかかります。
Q. 個人のLINEと、LINE公式アカウントは何が違いますか?
A. LINE公式アカウントは、店舗や企業が、お客様と連絡をとるための仕組みです。応答メッセージなどの自動返信機能が使えます。個人のLINEでは、こうした自動化機能は使えません。
まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
・LINE公式アカウントの自動返信は、「応答メッセージ(AIではない・無料)」「公式AIチャットボット(β)」「外部の生成AIの接続」の3段階
・以前の「AI応答メッセージ」は2023年に終了したとされ、古い記事の情報には注意が必要
・多くの店舗では、まず応答メッセージで、営業時間外の案内と予約の誘導を設定するだけで効果が出る
・AIには、事実が決まっている案内だけを任せ、料金の判断・キャンセル・クレーム・個人情報は人が対応する
・AIを入れる場合は、Q&Aを人が作り、テストと有人切り替えを用意し、毎月見直す
あわせて、Slack・Teams・Chatworkでのチャットツール別のAI活用も、参考にしてください。
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この記事の執筆者

藤田 真季|ウェブ担さん・マーケティング担当
国立大学卒業後、某大手アパレルメーカーの総合職として店舗運営を経験後、EC業界に転身。顧客視点に立ちながらCVR改善やCRMなど幅広く経験し、実績を積む。その後株式会社アイデアランプに参画し、「定額制Web運用代行サービス|ウェブ担さん」のディレクター兼マーケターに就任。コストを抑えながら高品質なWeb運用支援を提供し、多くの企業のマーケティング課題やWeb業務効率化に向けて支援している。





